起業をしようとしたときに元手を創業者だけでやり繰りすると一般的に必要な資金が足りません。代表的な会社形態である株式会社は株式会社の所有者となる地位である株式をできるだけ細分化して小口で投資できるようにして、世の中から多くの資金を集める資本主義の基礎といえます。

私がいつもお世話になっているANAホールディングスの場合、本日2016年6月23日の株価終値(15時に市場が閉まる時についた最後の値段)は298.6円でした。ANAホールディングスの株式は1,000株単位で取引がなされるため298,600円を支払えばANAホールディングスの所有者になれます。一人の株主が出せるのは零細な資金であっても株主が数十万まで増えれば集まった資金は莫大になり航空機をたくさん購入したり、運行クルーや地上職の方を採用して、大規模な企業経営が可能になります。

企業経営をしていくのに必要な資金をどうやって集めたか、企業経営に必要な物やサービスを買ったり売ったりしている明細が貸借対照表(B/S、balance sheet)です。資産と負債+純資産の合計は必ず一致します。<img src="http://www.rich1.net/img/danraku.gif" alt="段落調整">

貸借対照表の内容(わかりやすくするために実際の貸借対照表よりも簡略化しています)
まずは所有者である株主から調達した資金は資本金になります。企業活動の結果、稼ぎ出した利益の一部は所有者である株主に配当という形で還元し、さらに余った利益は剰余金として内部留保されます。

株主からの出資金は返還義務が無いため、自己資本と言われます。株主以外からの資金調達は銀行からの借入金、銀行以外からの社債があります。こちらは期限が到来すれば返済義務がある負債であり他人資本と呼ばれます。

株主や銀行から調達した資金は現金預金になり、その中から販売用の商品、事業に必要な工場を建てたり(建物)、物品(器具備品)を購入します。現金預金が設備投資によって工場や必要な物品に姿を変えて貸借対照表の資産に計上されます。

企業活動は販売用の商品を先に仕入れて代金支払いは1ヵ月後、商品を先に販売して入金は1ヵ月後といったように、現金によるやり取りでは無く掛け(ツケ)による信用取引が主流です。

売上に直結する販売用の商品の仕入を掛け(ツケ)で行って、支払期限が未到来ものが「買掛金」です。売上に直結しない器具備品を掛け(ツケ)で行って、支払期限が未到来ものが「未払金」です。買掛金も未払金も期限が来れば支払いをしなければならないため負債に分類されます。

仕入をした商品で売れていないものは商品(在庫)として貸借対照表の資産になります。無事に売上となり商品を出荷して、お金を振り込んでもらう期限が未到来のものが「売掛金」です。

負債が多いと返済期限到来時に現金預金を持っていなければならず、企業経営を圧迫します。現金預金が足りないと倒産の危険が増えることになります。一般的には自己資本の割合(自己資本率)が高い方が望ましいとされます。自己資本率は純資産(自己資本)÷資産で計算することができます。自己資本比率は設備投資が多い業種では低く、サービス業では高く価格なる傾向があって異業種の比較はあまり意味がありません。同業種の場合は、自己資本比率の比較は財政状態の分析上重要です。

上場会社は自社ホームページ内にIR(Investor Relations、投資家向け情報)のコンテンツがあって過去の財務諸表や開示情報を全部見ることができます。また、EDINETという金融庁の有価証券報告書等の開示書類が閲覧できるサイトで気になる企業の財務諸表を調べることも可能です。

ANA IR資料室(ANA公式)
EDINET(金融庁公式)


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